相続トラブルに関する実体験
ケース1:お父様の再婚の仕方が特殊だったお客様
不動産含め様々な資産を保有していたお母様(以下Aさん)を親に持つ方がご相談をくださいました。
Aさんの旦那様(Bさん)は現状婚姻関係であったものの、実は過去に一度ご離婚をされていたそうです。
離婚後にBさんは別の2人の女性(Cさん・Dさん)と再婚をして、最終的にはAさんと添い遂げる選択をします。
相関図としては、Aさんのお子様が3人、Cさん・Dさんのお子様がそれぞれお一人ずつです。
そうして時が経ち、Aさんがお亡くなりになります。
その後ほどなくBさんもお亡くなりになるのですが、ここからがとても複雑でした。
Aさんの法定相続人はお子様とBさんでしたが、Bさんの法定相続人は5名いるお子様全員だったためです。
約5億円ほどの大きな資産を保有していたのはあくまでAさんでした。
そのAさんの実子である3人からすると、全体の20%(50%の2/5)が見ず知らずの方にいってしまうというのは、なかなか納得できないものです。
実際に金額的にも、10%あたり5,000万円ほどでかなり高額だったことを記憶しております。
各お子様にはすでに配偶者もいて、当人だけでなく第三者の意思も介入してきて話し合いの場は混迷を極めます。
そして最後は泣く泣く分割をすることになったのですが、その際の現金を用意するために弊社がお手伝いをさせていただいたのです。
皆様これまでの話し合いでヒートアップしていたため、回収する際は熱に流されず職務を遂行しなければなりません。
感情論が飛び交い、売却に対するハードルが上がっていたなかで、適正金額を提示し続けました。
また顧問先の司法書士や弁護士と共に、遺産分割協議もお手伝いをさせていただきました。
士業のプロフェッショナルと密な繋がりがあるのは、弊社にご相談いただく利点の一つかもしれません。
その尽力が功を奏してか、Aさんのご家族とは今でも親密にさせていただいております。
ご家族のお子様のご自宅購入もお手伝いさせていただき、信頼関係が構築されたことがとても嬉しく感じたエピソードです。
ケース2:実家の家屋+土地の分割で色々あったお客様
2人兄弟のうち、お兄様とご結婚された奥様よりご相談をいただきました。
過去にご兄弟で親御さんの遺産を相続をした際、ご実家の土地を1/2ずつ分割して相続したそうです。
この際、明確に「土地のここからここまでが誰の持ち分」ということは決めておりません。
(実際、土地の相続では区分を決めず割合だけ決めることが多いです)
また、ご実家である建物はお兄様が100%相続して、建て替えをしておりました。
そうして何十年か経って、お兄様の奥様よりクレアールへご相談をいただきます。
ご状況としては、お兄様がお亡くなりになったタイミングでした。
するとその際、弟様から「分割した土地を買ってほしい」と言われたそうです
奥様は、土地の上に建っているお兄様所有の建物で生活をしていたため、断ることはできなかったとのこと。
首都圏にある有名な土地であったため、土地代だけでも億を超えています。
現金を用意することが難しかったため、弟様から土地を買い取るために、お兄様が残した土地や建物を売るという複雑な状況になってしまいました…
今回のケースにおいてクレアールでは売却から、奥様が住まわれるご住居の買い替えはもちろん、少しでも早く安心できるよう遺産分割協議も微力ながらお手伝いさせていただきました。
もちろん借地契約という選択肢も考えられましたが、相続において問題を先送りにするのは得策ではありません。
当人が生きているうちに状況を整えることが、今後生きていくご家族のことを思うと非常に大切になるのです。
ケース3:複雑な環境で後見人とのやり取りに悩んでいたお客様
ご友人の保証人になったことがきっかけで、自己破産をすることになったお父様。
そのお子様からとても複雑かつ深刻な状況でご相談をいただいたことを、今でも強く覚えております。
お父様が自己破産していたこともあり、そのご家庭では全ての名義人をお母様に設定していたそうです。
そうして名義はお母様ではあるものの、預貯金を含めた資産の大部分はお父様が形成していた…というご状況ができたとのこと。
どなたの名義であれ、家族が普通に生活する分には全く困ることは無かったそうです。
しかし、お子様が家を出てしばらくした頃に、お母様に認知症の症状が出始めます。
その際お母様の、ひいてはご家族の資産を守るために、裁判所で後見人をつけたそうです。
ご実家にはお父様が変わらず暮らしており、今までの生活通りお母様名義の口座から光熱費などが引かれています。
この「今まで通り」というご家族から見て何も問題がない状況に対して、ご相談のきっかけとなる意見が後見人である弁護士からありました。
「お母様の財産をお父様が使い込んでいる」「これは横領であるため、使い込んだ分をすぐ補填するように」とのことでした。
たしかに後見人である弁護士の仕事は、お母様の財産を最後まで守り抜くことです。
しかしご家族からしたら、お父様が蓄えた資産の名義がお母様だったというだけで、横領と言われたことに強くショックを受けます。
すぐにお子様がお父様に代わり後見人とコンタクトをとるものの、意見は変わらなかったそうです。
そうして、補填するための金額を用意するために、お子様が数十パーセントの権利を持っているご実家を売らなければならなくなりました。
その際お母様も権利を持っているため、売却のためにはお子様だけでなく、裁判所や後見人の許可が必要になりとても煩雑です。
そういったお手続きを、クレアールでお手伝いさせていただきました。
かし、その後もお子様と後見人でやり取りが続き、色々とあったとのこと。
最終的にお父様が生活するためのお金を、お母様から資産を正式に相続したお子様が出すという状況になりました。
このように相続や名義の手続きや状態が起因して、今まで問題がなかった生活を一変させてしまうというケースは多々あります。
意識していなかった部分で何か起こるかもしれない…と前もって考えて備えておくのが、大切なのかもしれません。
ちなみにその後、お父様は当時の弊社の事務所から近いところにお部屋を借りて生活します。
本件のご縁もあり、お父様もそこそこの年齢であったため、毎日安否確認もして弊社事務所にお顔を出していただく…というお付き合いをしておりました。
その後もご家族ぐるみでご飯に行くなど、とても親密な関係を維持させていただいております。
別の身内の方の相続放棄なども含めて、色々とお手伝いさせていただきました。
ケース4:国境を越えて動くことになったお客様
弊社が取り扱う駐車場を利用していたお客様の、奥様よりご相談をいただきました。
旦那様がお客様だったということでお声かけいただいたのですが、その旦那様がお亡くなりになったタイミングのことです。
旦那様は弊社の駐車場に車を10年以上停めていまして、お車の処分などサポートさせていただきました。
そういったご縁もあり、所有していた戸建て住宅のメンテナンスから売却をお手伝いさせていただくことに。
相続登記をしていなかったとのことでしたので、売却にあたって一緒に登記も済ませることに。
その相続権がご相談をいただいている奥様と、その妹さんのお二人にあったのです。
ここまでであればそんなに難しい話でもないのですが、その妹さんは当時海外にいらっしゃいました。
本件をご相談いただいたのはコロナ禍だったため、サイン証明(日本でいうところの印鑑証明)を取得したくても大使館が入館させてくれません。
取得を目的として申し込んでから、半年~10カ月ほどしないとOKが出ないという状況でした。
この際に問題となったのが、近年進んでいる「空き家を無くそう」という取り組みです。
令和6年になって名義変更がされていないと罰金対象になる…という動きもあったため、少しでも早くお客様にご安心いただけるよう迅速な対応が必要でした。
まずは妹さんへのメールによる説明です。
幸いなことに妹さんも物件を手放すことに肯定的でしたので、スムーズにご説明を受け入れてくださいました。
続いて妹さんが日本に帰ってきてくださったタイミングで、全て手続きを済ませられるように準備をしておきます。
そして無事に、奥様(お姉さま)の単独名義に変更することができました。
本来であれば長い期間がかかるところを、別の手法をもってして短縮したエピソードです。
相続については期限が設定されていることもあるため、状況に合わせた柔軟かつ迅速な対応が必要になります。
ご紹介したものは極々一部、どんなご相談でも真剣にお答えします
ここまでご紹介したものは、今までクレアールが携わってきた相続についてのご相談のごく一部です。
その一つ一つにお客様のご希望やご事情が詰まっており、弊社へご相談いただいたご期待を裏切らぬよう努めてまいりました。
もちろん、今後についても一切手を抜くことはございません。
将来の相続について懸念がある方、現状複雑な状態でどうすればいいかわからない方など、是非お気軽にご相談ください。